センター長挨拶

松浦章センター長

 関西大学アジア文化研究センター(CSAC)は、平成23年度の文部科学省による「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」を推進する組織として、関西大学東西学術研究所のもとに開設されました。本センターは、「東アジア文化資料のアーカイヴズ構築と活用の研究拠点形成」をテーマとして、関西大学が所蔵する東アジア文化研究のための豊富なリソースを集中的にデジタル化し、開かれたアーカイヴズとして構築することを第一の目的としています。あわせて多種多様な東アジア文化の研究資料について、それぞれの特性を検討して「解題」として提示するとともに、人文学研究者の視点から研究方法に最も適合する形態を探求し、汎用性の高いアーカイヴズとして国内外に提供することもめざしています。

 本センターの基盤となったのは、平成17~21年度私立大学学術研究高度化推進事業・学術フロンティア推進事業を遂行した関西大学アジア文化交流研究センターであり、その時の研究テーマは「東アジアにおける文化情報の発信と受容」でありました。この5年間におよぶ事業は、言語・思想・歴史の分野における東アジア諸地域の文化交流の諸相を総合的に扱い、事後評価においてもダブルAの高い評価を受けることができましたが、このプロジェクトを遂行する過程で、私たちは東アジア文化研究の基礎となる資料の全般的把握と整理の必要性と有効性を切実に感じるようになりました。

 今回のプロジェクトは、その認識を踏まえて文化資料のアーカイヴズ化を柱とするものです。一言で文化資料といっても、その内容や形態、活用方法はさまざまです。本プロジェクトでは、研究者から利用要請の高い本学所蔵資料をコアとしつつ、性格の異なる資料群を多数取り上げて、アーカイヴズ化のモデルを示すことで、今後各国・各研究機関によるデジタル化のパイロットたることを志向しています。こうしたアーカイヴズの構築と運用および活用法の提唱は、資料アクセスの劇的改善によって個々の資料それぞれにもとづく個別研究・関連研究を活性化するのみならず、従来研究者の個人的研究関心で遂行されてきた資料収集と公開を組織化・体系化する方途を生み出し、学術リソースの共有化への道を開くという意義を有するものと期待しています。

 研究員は、関西大学内の関係する教員18名を中核にして、国内外で活躍する第一線の研究者8名を加えた陣容でスタートいたしました。これにポストドクトラル・フェロー(PD)3名、リサーチ・アシスタント(RA)4名の若手研究者も参画し、5年間のプロジェクトの完遂をめざして活動してまいります。関係各位のご理解とご協力をお願い申し上げます。

アジア文化研究センター
センター長 松浦章